次は転生ガチャ当たりかな?なかなかのイケメンに生まれ変わることができました
前世では悲しい結末になりました
今回はなかなかのイケメン侍だし、きっとおせいちゃんも好きになってくれるはず
しかしおせいちゃんは侍が嫌いなのでゆっくりと仲良くならないといけない
前世の記憶を頼りに少しずつ距離を縮めていきます
ふふっ 今回もだんだんといい感じになってきたんじゃないかな
わたしには前世の記憶がある、そして今回はこのイケメンフェイス
きっとおせいちゃんも今回はわたしの事を好きになってくれるはず
今回もまた桜花党にお世話になっています
前世では嫌な思い出しかない気がするけどどうしても気になっちゃうんですよね
親分はわたしの事を目にかけてくださっている
きっと親分とも仲良くしていればきっと分かり合える
そんな気がしているのかもしれない
「世の中には二種類の人間がいる」
「利用する者とされる者・・・」
きっと親分も別の所でつらい経験をしてきたんだ
わたしたちが信頼関係を築けばきっと一緒に困難に立ち向かえる仲間になれる
そしてまた藤森家の襲撃の時を迎えました
わたしはまた殺されてしまう・・・そういう運命なのかも・・・
嫌だ!もう死ぬのは嫌だ!
何度ここで私は死んで転生を繰り返しているんだ・・・もう嫌だ・・・
おせいちゃん!わたしと一緒に逃げてく・・・れ・・・
「用がないなら早々に立ち去ってくれませんか?」
なんでそんなに冷たく突き放すんだ・・・?仲良くなったと思っていたのに・・・
顔だってこんなにイケメンなのに・・・
どうして・・・
結局わたしはここで野垂れ死ぬ事しか出来ない運命なのか
しかし今回は親分とも仲良くなっている
もしかしたら一緒に藤森家と戦ってくれるかもしれない
親分は強い、一緒に戦ってくれればもしかして・・・
そこへ伝令がやって来ます 聞かなくてもわたしには何が起こっているのかわかります
藤森の軍勢が攻めてきたのです
「くそっ!俺たちはここで死ぬのか!」
親分!親分!親分!
今回こそは一緒に戦ってください!親分!
お・・・や・・・ぶ・・・ん・・・?
「て・・・てめえら!ここはまかせたぞ!!」
ダメだった・・・今回もダメだった・・・
止めたところで親分と殺し合いになるだけだ
ならばせめて桜花党のみんなの事をわたしができる限り守ろう
わたしはあんなクズと同じになりたくない
「このあとの指揮はまかせたぞ」
「てめえがここの新しい頭になるんだ!!」
桜花党の頭としてわたしはみんなと戦う!
あんなクズとは違う!
わたしたちは力を合わせて藤森の軍勢と戦います
しかし・・・倒しても倒しても増援がやってきます
「ほう 貴様が新しい頭か」
「なるほどそれなりに腕はたちそうだ」
「だが残念だったな 桜花党 貴様らはここまでだ!」
すでにボロボロだったわたしたちは皆殺しにされてしまいました
クソッ!クソッ!クソッ!
何でうまくいかないんだ・・・なんでわたしはいつも死んでしまうんだ・・・
あの女が・・・あの女が一緒に逃げてさえくれれば死なずにすんだのに!
もう一度転生するんだ、この姿で・・・
そうだ・・・この女を生贄にしてしまえばいいんだ
この女がわたしの事を好きにならないのであれば差し出してしまえばいいんだ
この女を差し出すことでわたしは助かるかもしれない
前世のわたしは身代わりになって死んだ
本来死ぬ運命なのはこの女なんだ・・・それがホントの運命なんだ・・・
「そうです わたしこと桜井家の長女桜井静流です!!」
そうだ、藤森家が探しているのは桜井家の血筋のおせいちゃんなんだから
わたしは何も悪いことはしていない・・・これは運命なんだから
悪く思わないでねおせいちゃん・・・
わたしと一緒に逃げていれば死なない運命もあったかもしれない
でもおせいちゃんがそれを選ばなかっただけなんだから・・・
仕方がないこれは運命なんだ・・・そうだよね・・・信之助さん・・
「まだ終わってはおらん!」
もう助からないよ・・・信之助さん・・・無駄なんだよ・・・運命には逆らえないんだ
処刑場には一人で戦う信之助さんの姿が・・・
勝てるわけがない・・・勝てるわけがない・・・なんで黙っていなかったんだよ
黙って藤森家に仕えてれば死ななくてすんだのに・・・
でも・・・
でも・・・
なんか嫌だな・・・このまま逃げたらあのクズとかわらない
「信之助殿 助太刀いたす!」
死ぬのは嫌だけどあのクズみたいになるのはもっと嫌だ!
「なんと・・・この場に真の侍がいるとは思わなかった」
「拙者は 静流様を守るために戦う!」
「お主の面倒まではみられんぞ」
ああ・・・そうか
わたしが桜花党で求めていたのはこういう事だったのかもしれない
信頼できる仲間はできたけど・・・さすがに二人では無理だな・・・
きっとわたしはここで死ぬんだろう
信頼できる仲間とおせいちゃんを守るために戦って死ぬんだ
満足だ!わたしは侍としてここで死ぬ
「やはりその力惜しいな」
藤森主膳がわたしの力を欲しがっている
ここで藤森主膳の家来になればわたしは生き延びる事ができる
死を繰り返すだけの転生から抜け出せるかもしれない
おせいちゃんと信之助さんを見捨てればわたしは死なずにすむ・・・
でも嫌だね!
もうわたしは同じ過ちを犯したくない!ここで侍として死ぬんだ!
信義に生き 信念に死んだ侍がいた。
志半ばにして儚くも散っていった彼らの無念さ故か
その後 この地に桜の花が咲くことはなくなったという・・・
・・・
・・・
・・・
え?
まだ成仏できてないの?
なしこ