わたしはもう侍として死んだはずなのに・・・なぜまだみんなお頭と呼ぶんだ?
仕方がないからこの屑も殺してやった
藤森家のこいつも殺してやった
どうすればわたしは成仏できる?
殺しても殺しても藤森の軍勢が押し寄せてくる
そしてわたしたちは追い詰められて殺される
わたしは桜花党の頭として仲間と一緒に精一杯戦っている
逃げたりなんかしていない
わたしにこれ以上何をしろといっているんだ?
桜花党の頭としてやるべき事・・・もしかして・・・
桜井家復興!?
そういう事か・・・桜花党の頭として桜井家を復興させろという事なのか・・・
でも藤森主膳にわたしが勝てるわけがない・・・
前世だって信之助さんと2人で戦ったけど結局殺されたもの
佑馬くんの口からも何度も聞いているセリフ
「一日千秋の思いで桜井家再興を夢見てきた・・・」
「その思いが おまえにはわかるか?!」
わかるよ・・・でも、わたし達では藤森主膳には勝てないんだ・・・
ひとつだけわかっている事がある 死んだらそこで終わりなんだ
だから犬死にだけはしてはいけない
なんとか佑馬君を説得できた
でも桜花党の頭としてわたしに出来るのはここまでなんだ
死なずに済んだけど結局どうしていいのかわからず夜の村に戻ってみると
信之助さんが待っていました
おせいちゃんを説得するために一緒に来てほしいとのこと
信之助さんはおせいちゃんに桜井静流に戻ってほしいとお願いします
今こそ桜井家再興を果たす時だと
信之助さんの必死のお願いでしたがおせいちゃんは聞いてくれません
わたしからも何か言ってくれと言われ・・・
桜花党の頭として・・・わたしは言います
「今は桜井家跡取りの力が必要なんだ」
桜井家再興のためにはきっと・・・桜井静流様が必要なんだ・・・でも・・・
「あなたと同じく土とともに生きたいと望む祇州天奈すべての民を救うため!」
「どうか力をお貸しください!桜井静流様!」
「どこかで思っていた・・・」
「これは しょせんは胡蝶の夢と・・・さようなら おせい・・・」
しかし既に外には藤森軍の軍勢が迫ってきています
「こここは拙者に任せ おぬしは静流様を連れ 佑馬の元へ逃れるのだ」
信之助さんは静流様に言います
「あなたさえいれば桜井の復興はなる ならばあなたを守る事こそ我が望み」
信之助さんが自ら犠牲になってくれたことで
わたしたちは高種村から逃げて佑馬君たちと合流することができました
捕まってしまった信之助さんの処刑の日
「何か言い残すことはあるか?」
藤森主膳の問いに信之助さんは やるならひと思いにやれと言います」
「拙者の見こんだあの者が必ずや貴様を滅ぼすだろう」
今度こそわたしは自分の役目を果たして成仏する
何度も何度も死んで転生してそのための準備はしてきたんだ
わたしの姿を見て藤森主膳は言います
「たった一人でなにができるというのだ」
一人じゃねえよ!
それに仲間はこれだけじゃない、信之助さんも居るんだ
「そなたは桜井家再興のために必要な人」
「主膳などには 殺させません!」
集結したわたし達は藤森主膳の軍勢と戦いました
「祇州天奈を我らの手に取り戻すのです!」
戦いの途中で藤森主膳の姿が消えました
分が悪いと見たのか城に戻り籠城してしまったみたいです
時間が経てばこちらが不利になる
この勢いのまま一気に藤森主膳を倒して桜井家を再興するんだ
一気に城に攻め込みます
信之助さんと佑馬君が追っ手を引き受けてくれました
わたしは単身で主膳の元へ向かいます
「儂は ただ一人 覇道をゆく 何人たりとも 止める事 許さん!」
勝負の行方は・・・
みんなの力を合わせてついに藤森主膳を倒すことができました
「藤森主膳はこの者が見事討ちとった! 我らの勝利だ!」
前世のわたしが夢みたおせいちゃんと恋人になることはかなわなかったけど
わたしは桜花党の頭として
ちゃんと桜井家再興という役目を果たせたよね?
「ありがとう・・・」
藤森主膳を倒し桜井家の再興は果たしました
しかし今度は織田信長との戦いが待っています
これからもわたしは命が続く限り静流様を守っていこう
わたしたちは仲間なんだから
見事復興なった祇州天奈の桜井家
その後 信長の猛攻を受けたこの地が
どのような運命を辿ることになったのか・・・
それはまた別の物語となる。
ただ 美しき姫と彼女を側で支えた
勇猛果敢なる侍の話は
今もこの地に住む人々に
広く語り継がれているという
ヘタクソな上に武器の強化もろくにしてなかったので
最終決戦で2回くらいやり直すことになったのはナイショ
なしこ