ここで、おせいさんを説得すれば桜井家は再興できる・・・でもそれじゃだめなんだ
わたしが桜井家再興などやりたいくないと言うとおせいさんは
「あなたなら そういってくれると思っていました」
とホッとした様子です
一緒に説得してくれると思っていた信之助さんは
「今更何をいってるのだ? お主も拙者と同じ考えであろう?」
と戸惑います
今説得すればおせいさんは桜井静流に戻ってくれるのはわかっています
でも、それじゃダメなんです
全ての人が幸せになるためにはみんなの想いが一つにならないといけない
おせいちゃんが自らの意志で桜井静流に戻ってくれないとダメなんだ
そんな時、高種村に桜井家の嫡子が居るという情報がどこからか漏れたらしく
藤森家の桐江が兵を引き連れてやって来ました
桜井家の嫡子を出さなければ藤森主膳の命により村ごと焼き払うと脅してきます
「わたしのせいで村が・・・! いったいどうすれば・・」
今ここでおせいさんを失うわけにはいかない・・・
わたしはおせいさんの身代わりとして桜の家紋の入った懐剣をもって外に出ました
その場で取り押さえられわたしは連れて行かれます
もう少し・・・もう少しで流れが変わる・・・後はおせいさん・・・気づいて・・・
自分がやるべき事に
そして処刑当日
藤森主膳が「何か言い残すことはあるか?」と聞いてきます
「是非に及ばず」
と答えわたしは静かに時を待ちます みんなの望みが一つになる時を・・・
何度も何度も転生して繰り返した死の無限ループが終わるその時を・・・
そして処刑が執行されるその時・・・
あれは まさか・・・野武士どもか?!
お待ちください野武士だけではありません
梅宮宗近の姿も見えます!高種村の者どもも加わっている模様!
そして・・・
静流さん
「あなたの姿 あなたの行いが私たちに教えてくれました・・・」
「本当に守らなければならないもの それは・・・」
「すべての人々の平和な暮らしだと・・・」
「その中には あなただって含まれているはず・・・」
「だから・・・」
「死なないで!」
「おのれ たかが村娘風情が知った口を!貴様も処刑してくれるわ!」
「おひかえなさい!」
「私こそ真の桜井の嫡子 桜井静流です!」
「それがどうした?ならばお前も斬り捨てるまで」
「今度こそ桜井の血を断つ!」
すると梅宮宗近さんが・・・
無理があるかもしれないけど実は自分が桜井の嫡男だと言い出します
すると次々にみんなが自分こそが桜井の跡取りだと名乗りを上げ始めました
幸太までも
「おいらだって桜井のイジだぞ!」
そして・・・
信之助さんも・・・
「ならば拙者も桜井の継嗣であると宣言しよう!」
「どうする主膳?ここにいる皆が桜井の嫡子だと言っているぞ」
「だが みなを斬ればこの国には人がいなくなる 困ったな?」
しかし主膳はすべてが遺児だというのならば根こそぎ切り殺し
積み上げて天下統一の足場にしてやると言いだしました
そして戦いが始まりました
わたしの縄をほどいてくれた信之助さんの手には・・・妖刀ごりおしまる
「これを受け取れ!皆が生きるために戦うぞ!お主もふくめてな!」
ごりおしまるも一緒に行くか・・・
でももう絶対に人は殺さない!絶対に!
「今こそ藤森主膳の恐ろしい支配からこの国を取りもどすときです!」
「情け!!」
そうだ、もう殺さない!絶対に殺さない!
村人A「侍はみんな死ね!」
!!
ちょっとまて!殺すな!殺しちゃダメだ!
戦いの中いつしか藤森主膳の姿が見当たらなくなりました
手下を連れて天奈城に戻り籠城するつもりみたいです
わたしたちは急いで後を追います
時間が経てばこちらが不利になる一気に主膳の居る天守閣を目指します
するとそこに桐江が立ちふさがります
せっかく侍として大出世するつもりだったのにいい加減にしろと言います
大殿も敵でも味方でも皆殺しにしてりゃよかったんだと・・・
「皆殺しだ!皆殺しだ!皆殺しだ!」
うるせえ!誰も殺すなつってんだろうが!
誰も殺すな!誰も殺すな!誰も殺すな!!
峰打ちでボコボコにしてやると桐江はあっさり降伏しました
「た 助けてくれ! 俺は主膳に命令されて仕方なく・・・!!」
ほんとに?なんかさっきと言ってることがちがうきがするけど?
まあいい もうわたしは誰も殺さない お前も生きろ
・・・
・・・
・・・
わたしたちが天守閣を目指すために背を見せたとたん不意を突いて襲ってきましたが
信之助さんによって斬り捨てられてしまいました
わたしが殺したわけじゃないからセーフ・・・だよね?
追っ手を信之助さんと佑馬くんにまかせてわたしは主膳が居る天守閣へ
「迫る信長との戦 その機運も熟するわ」
「どれ ひとつ舞ってみるか・・・」
「儂はただ一人覇道を行く 何人たりとも 止める事 許さん!」
「天下を治むる儂の器に すべてのみ込んでくれるわ!」
言いたいことはそれで全部か・・・? 藤森主膳
「なぜ とどめを刺さん・・・儂になさけをかける気か・・・?」
「笑止!そのような弱腰 信長に・・・信玄に・・・通じるものかよ・・・」
「弱者必滅 それが乱世の心得・・・つまりは・・・」
「おまえのような弱者に敗れる儂もまた弱者であったということよ・・・」
「そして・・・弱者は ただ・・・ 消え去るのみ・・・!」
そして藤森主膳は自ら腹を斬って死んでしまいました・・・
こうしてわたしたちの戦いは終わりました
しかし織田信長の軍勢は祇州天奈に向けて動き始めています
この戦いが終わってもまた次の戦いが待っている・・・
・・・
・・・
・・・
嘆いている静流さんの後ろから誰かの声が聞こえてきます
「いや そうとは限らないですよぉ」
二日後・・・みんなで桜井家の先代のお墓参りをしていました
信之助さんが正式に桜井家に仕官する話は考えてくれたか?と聞いてきます
静流さんもこれからの祇州天奈にはわたしのような人が必要だと言ってくれます
「その話まぜてくださいな」
またあの時の声が聞こえてきました
お寺に居た雪園さんは信長軍の人だったみたいです
本当の名前は竹中半兵衛さんなのかな?
半兵衛さんの口添えのお陰で織田軍とは和睦がまとまったみたいです
静流さんの仁愛
信之助さんの忠義
佑馬くんの勇気
宗近さんの理知
そしてわたしの行動力
これがそろえば祇州天奈は日本一の国になる
そんなところと争っても旨味や儲けは少ないと判断して同盟を結んでくれたみたいです
「私たちだけでなく・・・すべての国が仲良くなればいいのですが・・・」
そう静流さんがいうと半兵衛さんもそんな夢が見たくなったと言います
その後半兵衛さんと静流さんとのわたしの争奪戦があったりしましたが
みんなとても楽しそうでした
まだまだ戦国時代は続くのかもしれませんが
少なくともこの祇州天奈には平和な日々が訪れたみたいです
信之助さんにこれから侍としてどう生きるつもりだ?と聞かれました
侍が何と答えたのかはここに居る人たちだけしか知りません
・・・
・・・
・・・
侍は生き 戦い 駆け抜けていった。
戦乱の時代を 確かな生命の実感と共に!
ただひたすらに!
多分もうちょっ侍度が伸びてたら違う称号だったと思うけど
今回のお侍ごっこだとこっちの称号の方でよかったかもしれない
侍道シリーズは面白いのでいつか続編が出て欲しいですね
だいぶ雑な酔っぱらいのお侍ごっこを見てくださった方
お見苦しいものを見せてすいません 見てくれてありがとうございました!
多分これでおしまいデス
なしこ